遺言書の新しい保管方法
これまで、自筆で残した遺言書は、仏壇や金庫等で保管されていることが一般的でして、次のような問題点がありました
- 遺言書を紛失してしまう
- 相続人に見つかってしまい、破棄したり隠されたりしてしまうおそれがある
- どこに保管したか忘れてしまう
- 相続人が探すことができない
このような問題への対策として、令和2年7月10日より、法務局にて自筆証書遺言を保管する制度ができました。
これには主に以下のメリットがあります
- 紛失や隠匿を防止できる
- プライバシーを確保できる
- 家庭裁判所での検認がいらない
- 相続登記につなげることができる
しかし、法務局で遺言書の書き方を教えてくれるわけではありませんので、様式や書き方については、当事務所にて詳しくアドバイスさせていただきます。
遺言書保管の申請の流れ
①遺言書の作成主な書き方の注意点
- 用紙はＡ４サイズで、全て自書でする必要がある。（財産を特定させるため、財産目録を添付する場合もありますが、それは手書きでなくても問題ありません）
- ボールペン等容易に消えない筆記具を使う（長期間保存のため）
- 余白を作る（上5ｍｍ以上、下10ｍｍ以上、左20ｍｍ以上、右5ｍｍ以上）
- 裏面は使用しない
- 署名＋押印が必要で、認印でいいが、スタンプ式は避ける
② 遺言書の保管場所を決める
保管の申請ができる遺言書保管所は、遺言者の住んでいるところ、本籍地、所有する不不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所となります
③ 申請書を作成する
申請書は、法務省ホームページhttp://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.htmlに掲載している様式をダウンロードして作成します。様式は法務局窓口や、当事務所よりお渡しすることもできます。
④ 保管申請の予約をする
予約方法は主に以下の通りとなります
１ 法務局手続案内予約サービスの専用ホームページにおける予約（２４時間３６５日） （ https://www.legal-ab.moj.go.jp/houmu.home-t/）
２ 法務局（遺言書保管所）への電話による予約
手続を行う予定の各法務局（遺言書保管所）へ，お電話にてお申込み
（平日８時３０分から１７時１５分まで（土・日・祝日・年末年始は除く））
直接窓口で予約する方法もあるようですが、待ち時間ができる可能性もありますので、ホームページかお電話での予約が手間を省ける考えます。
⑤ 保管の申請をする
以下の5点を持参して、予約した日時に遺言者本人が、遺言書保管所に行きます
- 遺言書 ホッチキス止めはせず、封筒も不要です
- 申請書
- 住民票の写し（作成後3か月以内で、本籍の記載があるものが必要です）
- 本人確認書類（運転免許証・マイナンバーカード・パスポート等）
- 手数料 3,900円 （法務局にて収入印紙を手数料納付用紙に貼ります）
⑥ 保管証を受け取る
手続き終了後、遺言者の氏名、出生の年月日、遺言書保管所の名称及び保管番号が記載された保管証をお渡しします
遺言書の閲覧、保管の申請の撤回、変更の届出をするときや、相続人等が遺言書情報証明書の交付の請求等をするときに必要となります。
下記のような場合には行政書士をご利用ください。
- 自分亡き後の財産の処分に思うところがある。
- 外出などできない状況にある。
- 相続が発生したが、何から手を付けていいか分からない。
- 自分でやるのは正直面倒なので、この際専門家に任せたい。
- 自分でやるつもりでいるが、思うように進まない。
- 相続人の足並みが揃わないので、公平な第三者に仕切ってもらいたい。
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