農地を相続したときの必要な手続き

農地を相続したときは、2つの手続きが必要になります。

  • 1 法務局にて相続の登記
  • 2 農業委員会にて相続の届出
平成21年の農地法改正で、相続(遺産分割や包括遺贈を含む)で農地を取得したときは、農地がある市町村の農業委員会に届出が必要となりました。
農業委員会への届出は、市町村の農地の権利の移動を把握するためのもので、権利取得の効力を発生させるものではありません。

また、届出には期限があり、相続等で農地の権利を取得したことを知った時から10か月以内に行わなければなりません。届出をしなかったり、虚偽の届出をした場合は、10万円以下の過料が科されることがあるので、注意しましょう。



農業委員会への届出の際に必要な書類

  • 1 登記事項証明書等(相続したことを確認できるもの)
  • 2 「農地法第3条の3第一項の規定による届出書」
〇実家が農業を営んでいるが、農業を行う予定がない場合はどうしたらいいか


相続した本人が実家から離れ、都市部で仕事をしている場合、農業を引き継ぐことが難しい場合があります。そのようなときに必要な手続きは主に以下の3つが考えられます


1 農地のまま売却する
  農地として売却することができれば、この語の管理をしなくて済むうえに、売却代金を手に入れることができます。
  売却する場合は農業委員会の許可(農地法3条許可)が必要で、買主が農家か、これか  
  ら農業をはじめること等、一定の要件が必要となります。
 

2 農地以外の用途に転用する
  一定の要件を満たせば、農地を宅地等の用途に転用することができます。
  もし、宅地に転用することができたら、土地に建物を建てて賃貸にもできますし、宅地として売りに出せば、買い手も探しやすくなり、高値で売れる可能性もあります。
  自分で農地を所有したまま用途を転用する場合は、農地法4条の許可が必要となり、売却と用途の転用を同時にする場合には農地法5樹生の許可が必要になります。
このように転用には農業委員会の許可が必要となるうえ、農地のまま処分するよりも活用方法は広がります。ただし、農地を他の用途に転用して使用できた場合であっても、造成費がかかってきます。例えば、宅地に転用して、そこに家を建てて生活する場合は、周囲の生活環境や利便性を考える必要がでてくるでしょう。


3 農地の相続を放棄する
 相続放棄ができるのは、基本的に「相続の開始を知ってから3か月以内」となります。
 相続人全員が農業を引き継ぐ意思がない場合の選択肢となりますが、相続放棄をすると農地以外の遺産も受け取ることができなくなります。しかも、相続放棄をしても、相続財産管理人を選任するまで、相続人が農地を管理しなければなりません。また、相続財産管理人の選任費用や、報酬もかかってくるので、相続財産全体を加味して検討することが必要です。


もし、転用の要件を満たさずに、農地の売却も難しく、相続放棄も難しい場合は、近隣に迷惑にならないよう管理していく必要があります。特に納屋等の建物がある場合は倒壊等の環境悪化につながる可能性があるので、最低限の管理はしなければなりません。
また、農地を利用しなくても、所有している限りは固定資産税がかかってくるので注意が必要です。








下記のような場合には行政書士をご利用ください。

  • 自分亡き後の財産の処分に思うところがある。
  • 外出などできない状況にある。
  • 相続が発生したが、何から手を付けていいか分からない。
  • 自分でやるのは正直面倒なので、この際専門家に任せたい。
  • 自分でやるつもりでいるが、思うように進まない。
  • 相続人の足並みが揃わないので、公平な第三者に仕切ってもらいたい。


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